その殺意…曲がるよ。

はてなブログさんが提示してきた今回のお題は「遠くへ行きたくなってきた」だ。

 

お?ツイッターメンヘラごっこか?とスナイパーライフルを構えてしまったが、よく考えれば恐らくコロナ自粛がつらみ~みたいな意味だろうと思い直し引き金を引いた。

 

人間なんて気付いたら宇宙に飛び立って周りの会話を聞き逃し「え?あ、はい、そうっすね!(分かってない」みたいなのを繰り返し気付いたら取り返しのつかない窮地に陥り地獄に落ちると言う空の果てから地の底まで一瞬で駆け抜けるような生き物だと思うし今更これより遠くってどこに?と思ってしまうが、やはり左右に動きたいのだろうか?

 

さて、それとは関係なく今回は殺意の話だ。

 

みんな、好きだろ?殺すの死ぬのの話が、さ。

遠くへ行きたくなってきた。もコロナが蔓延さえしてなければ自殺の暗喩であるし、コロナでカモフラージュされてるだけではてなブログさんは「ねぇねぇ死にたい?今死にたみある?^^」と普通に問いかけてきてる可能性もある。

 

殺意を放ってしまう人間は勇気の数だけいるのだが、無理やり大きく分類するなら概ね二種類に分けられる。

一つは明確に怒りや嫌悪と言った感情を持つ事によって「これが…殺意?」と言う気付きを得た後、それを磨きに磨いて相手に殴りかかる秀才トレジャー型。

もう一つは、別に恨みも何もないのに気付いたら殺意を放っている生まれながらの切れたナイフ、天が一人に一つ特別なヴェルタースオリジナルを与えたんだとしたらオレが貰ったのは殺意だなとしか思えない天才ギフト型である。

 

この腐敗した大地で自ら殺意を呼び起こしたトレジャー型と、神からの贈り物として殺意を抱いているギフト型は全くかみ合わない。

手段と目的と言う大きな乖離があるので仕方がないし、殺意の秀才と天才が手を組んだと言う少年漫画の帯みたいな状態になったとしても待っているのは悲劇だけである。

たまたま殺意の矛先が噛み合ってしまった場合、最終的な結末は「秀才型が満足したにも関わらず、満足と言うのものを知らない天才型が暴走、秀才型の殺意が天才に向く」と言う昨日の友は今日の敵パターンか「天才型が飽きて突如梯子を外し、その梯子でなんとなく秀才を一殴りしてパフェとか食べに行く」打ち切りパターンのいずれかしかない。

 

そもそも天才型が持っている殺意は神からのギフトであり、人間の手に負える代物では無いので、その気も無いのにすれ違った人全員の首を狩り、ネックレスを拵えてしまっていたみたいな感じになりがちである。

この例えるまでも無いただの化け物が闊歩しているとなると当然善良な一般市民は恐怖で震えあがってしまうのだが、ここで勇気を出して「そういうのやめてください!!」と声をあげると無自覚に触れる者全てを傷つけていたガラスの殺意が明確に牙をむいてくると言う当たり屋みてぇな仕様になっている為、現状逃げるか権力によるBAN以外に対処方法が無いのが現状だ。

 

「殺意なんてぶつけ合いたい人達だけで勝手にやってればいいじゃない!!」と言うド正論がたった今怪電波で僕の耳に届いたが、殺意を標準装備してる人間はそれに慣れ過ぎている為、基本殺意に対する耐性がバチ糞に高い…訳でも無いのだが、少なくとも死なない。カメムシは自分の匂いで死ぬが、神からのギフト持ちはそこまでヤワではないのである。

と言うか、ヤワなギフト持ちは「その気も無いのに人を傷つけてしまう心優しき化け物」と言うどう足掻いてもバットエンドしか迎えようのない人生を約束されているので大体とてつもなく静かに穴倉とかで暮らしている。

 

とにかく、殺意を持つ者通同士はお互い倒れずに三日三晩戦い続けた挙句なんか仲良くなってたりして一人でも手に負えなかった輩が背中を預ける戦友を得て360度カバー出来るようになったと言う悪魔合体を成功させてしまったりするので基本「あ、この人…殺意高いな」と言う人を身近で複数見つけたら絶対に引き合わせない事をおススメする。

仮に物凄く相性が悪く、見つめ合った瞬間心と心で伝わる殺意…とゴングも待たずに殺し合いを始めたとしても当の二人は無傷、余波で近くにいたコオロギが死ぬみたいな事になりがちである。

 

また、秀才型は是非はどうあれ本人なりの恨みを元に殺意を振り回しているのでともかくとして、天才型はそこまでの熱量が無い事が多い。

恨んでいるかどうかで言えばそれは恨んでいるがでもどうでもいいよねと言われたらまぁどうでもいいと言えなくもないみたいなとてもナイフとは思えないフワッフワッした動機な事が多く、1500年続く因縁の戦いをするような巨人族的ガッツは持ち合わせていない事が多い。

動機にこだわらない分、妙な柔軟性があるので「ちょっとトイレ」ぐらいの気軽さで突如蛇腹剣の如く軌道を変えて近くで鼻をほじってた人の顔面にエキサイティンシュートが決められる事もあるので、明日は我が身と常に思っているぐらいで丁度いいかも知れない。

 

と言うか「さ、今日も張り切って殺意を出すぞ~!」と思ってる訳でも無いので、全ては気分次第だ。

僕も「殺意の主です~」とかこいてはいるが、実際の所周りがそういうので乗ってあげてると言う意識が強く「全然殺意ないよ~」と言われ続ければ優しい言葉をかけられ続けたトマトよろしく「俺は殺意から解放された…!!」と思う筈だし、お母さんにも電話する。

ギフト型は殺意を放出してしまうだけで、素の性質とはまた関係ないのですっごく心根の優しい殺意の強い奴も存在するし、当然「キミってこうだよね」と言われたからその通りに行動してしまうサービス精神旺盛なギフト持ちもいるのだ。

 

自分を持っていないとも言えるが、なにしろ神からもらった一物は殺意なので自分の入り込む余地はない。

では殺意を放出する理由も無いかと言われれば、それは聞かれればベラベラ出て来るので「オラ興味あっぞ!」と言う悪趣味な方は聞いていただければ、多分殺意がそっちに向くと思うが運が良ければ100円いれた玩具ぐらいうるさく喚きだす筈である。

 

こちらも二つや三つの幼子では無いのだ。

社会的に理由も無く殺意を出してる奴がやべぇと言う事は理解してしまっている為、理由の捏造ぐらいちょちょいのちょいである。

ついでに理由を捏造していると「本当にそいつが憎くなってくる」と言う単純さを持ち合わせてる場合もある為たまたま嫌いな奴がターゲットになったのでこれ幸いと自分の手を汚さずに確実に始末したくなった場合は一か八か動機を聞きに行くべきである。

リスクも背負わずに殺意の操縦は出来ない。

 

そして(殺意を)持たざる者が殺意を(持つ者)を憎むように、逆もまた然りである。

持たざる者が憎しみを持って「そういう事言うのマジやめろ!」と言うと、こちらの殺意カウンターが反応し「おっ、おめぇ強そうだなぁ!!」と嬉々として向かって行ってしまうのでスルー安定であるのは先に言った通りだが、じゃあ泣き寝入りしろと言うのかと言うと…実はそうでもなく、世の中は基本被害者の方が強く出来ているのではっきり言って殺意ギフト持ちとか社会的に雑魚もいい所なのでちゃんと立ち回れば完封する事が可能である。

 

完封した相手の殺意はどこに向くかと言うと、それは遠く…遥か宇宙へ飛んでいく筈なので、気が向いたら夜空を見上げてみてほしい。

綺麗な星が一つ、瞬き燃えている筈である。

 

それでは俺の腹の虫が収まらんと言う方はもう少し眺めていてくれれば、無様に地に堕ちる姿も目撃できるかも知れない。

地に落ちた星がどうなるかと言うと、元気に近場にいる奴に殺意を放ち始めるので後は繰り返していれば100年後ぐらいには殺すことに成功する筈である。

何事も地道な努力が大切だ。