あらかじめ灯されし恋心
はてなブログさんが掲げる今週のお題は「握ったり、回ったり」だ。
つまらない面白いの枠を超えて意味不明になっている。
何かの暗号か、遠回しにポケッターリモンスターリについて語れと言いたいのだろうか?
今まではどんなお題が来ても「つまらん事言うとるのぉ」と吐き捨てて無視してきたが、意味が分からないのでツマラナイと言う評価も出来ないと言う状態になっている。
悔しい。これは負けだ。お題を切り捨てるのではなく、背を向ける時が来るとは思わなかった。
僕が3か月放置してる間にこんなに強くなっていたとは…子とはてなブログの成長は目が離せない物だ。
まぁ、今更負け犬になる事を気にしても仕方がない。
あらゆる物に負け続けてる人生の汚点にはてなブログも追加されたと言うだけだ。
敗北のシミがまた一つオレの人生と言うシャツをオシャレに彩ってくれるだろう。
さて、そんな事は置いといて乙女ゲームの話をしよう。
今までイケメンが好きだイケメンが好きだと吼えておいて乙女ゲームはアンジェリークぐらいしかまともにやった事が無かった。
イケメンは観賞用でありイチャイチャする対象じゃないと思っていたし、ポエティックな口説き文句とか言われたらせっかくのイケメンが台無しになってしまうと言うかあんまりイケメンが真顔でシュール系お笑い芸人みたいになるのを見たくなかったからだ。
二次元のイケメンは美大生の卒業制作みたいな何から突っ込めばいいのか分からない口説き方をしてくると言う偏見が僕の中にはある。
しかし心配を拗らせた母上からいつ何時「人生は何が役に立つか分からない物だし、一応息子の乙女ゲームの腕前は知っておきたいな」と言われるか分からない以上、語れる乙女ゲームが一つだけと言うのは心許なさ過ぎる。
何か無いかとなんとなく探している所に絵がとても綺麗な「囚われのパルマ」と言う乙女ゲームを見つけたので、よっしゃいっちょイケメンのハートを爆速でゲッチュしたりますかぁ!!と購入に踏み切った。7000円で確定イケメンなのでこれは実質無料。
あんスタくんなら今頃40000円を持っていかれてる。
パッケージによると、記憶を失くした状態で離島の施設に軟禁収容されている彼と交流を持つ事になったオレがありのままのオレで彼と接する事で、彼は徐々に心を開き、寄り添ったコミュニケーションをしてくれるようになる、と。
彼の記憶を取り戻す手伝いをしながら、オレだけの彼との恋を体感してくれとの事らしい。
徐々に心を開き…とある様に、初期の彼は心を閉ざしまくっているので割とツレない態度を取ってくる為、こちらもありのまま「あぁ?なんだァ…てめぇ…」と思ってしまいそうになるが、よくよく考えたら「実は男」と言う超ド級の嘘を吐きながら仲良くなろうとしているこちらもこちらなので、まずは色々我慢しながら世間話などが出来る状態に持って行ってからが本番だ。
しかし、コミュニケーションを取りつつ彼とよき感じに恋に落ちなければならないと思うのだがイマイチうまくいく気がしない。まだ2話目の途中ぐらいなので見切りが早すぎる感じはするが、どうにも恋愛感情を抱けそうにない。
と言うのも、まず俺だけの彼ことコイツの収容されている施設があまり人権意識が無いのか実はヤベェ犯罪者だったりするのか分からないが、コイツの部屋がどん引くレベルで殺風景過ぎるのだ。
プレイヤーは彼の部屋を、仕掛けられた三つの監視カメラでコッソリ見る事が出来るのだがマジで何もねぇ。娯楽っぽい物は本が一冊あるだけで、後はベットと棚付机と椅子、トイレとシャワーと言う必要最低限の物がポツポツあるだけなのだ。
こんな部屋で、コイツは知らないとは言え終始カメラで見られながらの生活…哀れ過ぎる…おまけに椅子がすっげぇ固そうなのだ。アルミかスチールか分からないが、座る部分にカーブの一つも付いてない真四角のとにかく固そうな椅子が見れば見る程可哀そうになる。
もう気持ちは保護者である。幸いプレイヤーことオレは彼に色々雑貨屋さんで購入した物や島を散策して手に入れた物などを差し入れる事が出来るので、彼の部屋を彩り豊かにしてあげる事が可能との事で、早速チュートリアルでスタンドライトを差し入れた所「ありがとう、無かったから助かる」とお礼を言われた。
本を読みやすくなったそうだ。
不憫…机の上にライトぐらい置いてあげろ、係員!!
次にコップを送ったら再び「ありがとう、無かったから助かる」と言われ、監視カメラでコッソリ部屋を覗くと歯ブラシを入れて活用していた。
今まで歯磨き用のコップの一つも無かったのか…と悲しい気持ちで奴がコップを使ってうがいをしている所を眺めた。
後日、コイツがそのコップを使って水を飲んでいる所を目撃してより一層悲しくなった。
歯磨き用とは別のコップを差し入れてあげたいのだが、雑貨屋の奴が全然コップを用意してくれない為に叶わぬ夢となっている。
そんな何もない部屋でコイツは小まめに「ちょっと汚れてる…」等と呟いて鏡を雑巾で拭いたり置かれているものなど何もない棚にハタキをかけたりしているので早く掃除のしがいがある部屋にしてあげたいのだが、CDを上げても本を上げてもオシャレな水差しを上げてもなぜかコイツは一向に棚に置く気配が無いので監視カメラで生活を覗き見しながら「棚を使え…」と念を送る日々が続いている。
ついでに雑巾が大分汚れているので新しい雑巾をあげたいし、前途の通り椅子ももうちょっと体が痛くならなそうな物…せめて座布団でも送ってあげたいのだが、雑貨屋が用意しない事には送れないので常に「不憫…」と思いながら監視カメラを眺めると言う優しいサイコパス状態だ。鏡を雑巾で拭くのもどうなのかな…。
娯楽に関しても、DSとか送ってあげたかったのだが島に一切用意されて無かったので仕方なくナンプレの雑誌を送ったら「これってマスを埋めなきゃいけないのか?忘れた頃にもう一回やりたいから埋めなかった。楽しかった」と言われ「何…?ここから出られないって思いすぎじゃない…?ってかマジで娯楽な~んにもないの?」と余計に悲しくなる羽目になった。
後にCDコンポも送れるようになったので、島にあったクラシック、演歌、アニメソング、ロックのCD4種類を全て送り付けた。雑貨屋の物品を全て買い占めて彼の部屋に送りつけている状況だ。怒られたらオレの拳が唸る準備は出来ている。
しかし、小まめに掃除をするので結構マメな性格なのかな?と思っていたのだが、CDコンポを送った際には台に対して斜めに置くと言う妙な雑さを発揮してきていて「男子」って感じだ。気になるので真っ直ぐ置いて欲しい。
こんな感じで完全に保護者の目線に立ってしまっているので「彼との恋を体感」出来るかどうかがとても不安になっている。
それに、今は保護者の目線なのでコイツが可愛くて仕方がないが恋人と見るとどうかな…?と言う点も散見される。
まず、土足でベットに上がっている点が嫌だ。施設だからか?とも思ったが、シャワーを浴びた後は暫くパンツ一丁でウロウロしていてその時は裸足である。
土足で歩いた所を裸足で歩かないで欲しい。
CD四種を送った際に、ロックが一番好きだと語った時もその時は好きな曲が出来たんだ!と嬉しい気持ちになったが恋人になると考えると「ロックに傾倒しやがったか…」と言う気持ちにもなる。フェスとかに連れていかれたら困る。
それと、肉じゃがを送った際にスプーンで食べていた所も気になる。
テーブルにご飯とみそ汁、肉じゃがと並べて箸を渡した時「スプーンは?」と聞かれたら百年の恋も冷めてしまいそうだ。
卵焼きを送った際に「味がしない…?」と言い出したので「嘘だろ…食堂のおばさんに作って貰った奴なんだが…おばさん?」と食堂のオバサンに疑心の目を向けていた所、出汁巻き卵だったと発覚した時も正直ちょっと引いた。
出汁の味が分からん奴と同じ食卓を囲めるだろうか?
それとなく卵焼きと言ったら何味か?と聞いたらケチャップと返ってきた。話にならねぇ。
パンツを送った際に、趣味悪いな…と思いつつ送った花柄のパンツの時が一番嬉しそうだったのも引っ掛かる。無地の黒が一番いいと思うのだが…。
あと、歯磨きの仕方が雑だ。
これからオレの胸をときめかせてキュン死にさせるような出来事が津波の様に押し寄せてきたとしても土壇場で「でもこいつは…肉じゃがをスプーンで…」と思ってしまう可能性がある。
これではロマンティックなキスなど出来ない。恋は我に返ってはダメなのだ。
ストーリーで恋愛ルートしか用意されていない場合、主人公とオレが分離し置いてけぼりになる可能性もある。この女…花柄のパンツの男にほほを染めてる…となっては僕は主人公をクソ女だなと憎んでしまう未来もあり非常に怖い。
ほぼ初めての乙女ゲーム、まだまだ始まったばかりだが不安は募る一方である。