スーパーウルトラダーククロニクルキャノンを放て

今週のお題は「残暑お見舞い申し上げます。」らしい。

年がら年中クリスマスツリーが売られる平成の乱世に生まれ育ったシチーボーイなので、季節感とかよく知らず、残暑とか今の段階で申されましてもこの暑さがあと一ヶ月は余裕で続くだろうと予測してる身としては、残り香引きずりすぎ、重たい彼女みたいとしか思えないので、全然お見舞い申し上げる気にも申し上げられる気にもならないので却下とする。

大体暑さ寒さも彼岸まで等と言う寝言をいつまでも信じてるようではダメだ。

言葉はうつろいゆくもの…。もう全然彼岸までじゃないんだから大人しくそれを認めて残暑とかそういう概念は消して行こう。最終的に墓参りとかそういう行事が消え失せてくれたら万々歳である。

 

僕が小学生の頃に、空前絶後の雑学ブーム的なのが来ており、なんかのテレビで「潮時」の本当の意味はどうたらこうたらとほざいていたのを当時から天才であった僕はちゃんと覚えており、潮時の意味を答えよ的な問題が出たときにばっちり回答し、見事に不正解を貰ったときに「本当の意味」とかそんな物は糞食らえなんだなと学んでしまった為、何の恨みもない残暑とかにも噛みついてしまう。

 

まぁ、これ以上見えない敵…組織を相手にバチボコやっても仕方ないので話を変えていく。

見えない敵やら組織やらと言うとテンプレ的な中2病っぽいイメージを受けるが、僕のこの手のイメージは全てフィクション、もしくは「ネットのあるあるネタ」から貰ったものなので、実はみんながどの程度本気で言ってるのかよく分かっていない。

少なくとも僕の回りに右手に包帯を巻き封印がどうとか呟く奴は一人もいなかったし、教室の中に組織と戦ってそうな奴もいなかったし、ノートに暗黒邪竜ダークネスウイングドラゴンを書いてる奴もいなかったと思う。

確かにそういうのに憧れてしまう気持ちはあるかも知れないが、それを表に出すかどうかと言うと我々奥ゆかしいと言われるジャパニーズには些か厳しいのでは無かろうか?

それとも、僕が生まれる前のおおらかな時代のお話なのか?しかし、僕が生まれる前はもっとオタク文化への風当たりが強かったと言うし…いや、実際そういう人の学生時代の話は目を覆いたくなるような物が多くはあるのだが、思春期の照れ屋マインドを打ち消してまでその背に暗黒の翼を纏ってしまうと言うイメージがどうしても湧かない。

 

しかし、フィクションと一蹴するには余りに「本当にあった怖い話」として語られまくってしまっているのだが…。どちらにしろ本当に邪眼がどうとかみんなの前で言い出したのだとしたら「邪眼」が無かったとしても「本物」に違いはない気がするが、リアルだとしたら手に終えないのでこの話はやめよう。

もっとフランクな所、話を大きく広げて黒歴史の話をしたい。

酒の失敗とかうっかりやらかしたアレソレとかは所詮全て笑い飛ばせるのでどうでもいいとして邪眼よりも遥かに難易度の低い黒歴史、創作活動の話である。

 

糞寒ポエムを筆頭とした、野生のツムギスト達が当時は一生懸命作ったであろう、世界に無数とある黒歴史であるが、あれを黒歴史と呼ぶのはちょっと早計なのではないかと思う。

正確には「既に過ぎた歴史」として語ろうとしているのが、ちょっと待とうかボウヤと言う感じになる。

 

確かに、中学生の時に書いたポエムは、熱い。大爆笑出来るならいい方で、本当に普通につまらない上に恥ずかしいと言う悪夢を凝縮したような代物である事が多いと思う。

しかし、よーくよーく周りを見てみれば名曲と謳われる歌詞とかも曲無しで見ると結構寒々しいものが多い。

宇多田ヒカルが16だかなんだかの時に作った「ファーストラブ」なる曲も売れたからよかったものの「最後のキスはタバコのflavorがした」である。これをツイッターでオフパコおじさんみたいな感じの奴がよく分からん画像と一緒に書いていたら、どうか。

 

今で言うところの「大草原不可避」となるのではなかろうか?

校長先生がどれだけウィットに飛んだ小粋なジョークを飛ばしたとしても一ミリもウケないのと同じように、そもそもの先入観、「みんながいいと言ってる」とかが無ければ多分受け入れられない感じのアレである。似たような背伸びしまくったポエムを紡いでしまった奴はきっと世界に掃いて捨てるほどいる筈である。

ただそいつらは何も始まらず、宇多田ヒカルは始まったと言うだけの話なのだ。

つまり、ダメなのは中学生の時にせっせと紡いだポエムでは無く「お前」と言う話になり、お前がヘラヘラとさも過ぎ去ったかの様に語る黒歴史も振り向けばこんにちはと言う事になる。決して逃げられると思うな。

 

カカオ99%チョコとか言う、どう考えても食い物として成立していない物体ですら流行ってしまった様に、我々は「いい」と思ったら一直線だ。ペンパイナッポーアッポーペンとか言う何一つ面白くもないギャグがジャスティンビーバーがリツイートしただけで全世界を熱狂させてしまった様に先入観と言うものは本当に強い。

なんちゃらコンサルタントやらなんやらがビジネス戦略がどうのこうの偉そうに演説を垂れても本当はそんなもの必要ない。読モくずれみたいな奴等に「馬糞、さいこ~!!」と言わせれば女子高生達はこぞって馬糞を食い散らかし「これはこれでアリ」とか言い出すに決まっているのだ。

みんなの魂のポエム(笑)が黒歴史と成り果ててしまったのも、ジャスティンビーバーがリツイートしなかったせいであり、読モがさいこ~と言わなかったせいであり、キティちゃんとコラボしなかったせいなのである。

 

会いたくて会いたくて震えると言う一周回って完全に愛されてしまっている歌詞も「西野カナ」がよかったから売れたのであって、多分我々が心の底から「会いたくて会いたくて震える」と言う歌詞を閃き絞り出したとしても「黙って震えてろ」と綿矢リサに言われてお仕舞いである。

 

逆を言えば、一度でも「キテ」しまえば貰ったも同然。どれだけふざけた歌詞を書こうとも全米が涙しながら震撼し、日本中が熱狂の渦に巻き込まれ、マサイ族も空を飛ぶと言う事になる。

 

例えば今ここで僕が「大自然まもる」と言うアーチスト名で「広告収入って響きが好き」と言うアルバムを発売し

 

1.地図があっても道には迷う

2.謝って済むこと済まないこと

3.ちょうどいい菓子折りの選び方

4.開き直りの正しい角度

5.どれだけ安く酔うか?

6.鑑賞と覗きの違い

7.下を見続ける力

8.寒いなら、着なさい。

9.バーベキュー力

10.ソイツを黙らせる52の方法

11.風呂上がり、即便意

 

と言うセットリストをイソイソと詰め込んだとしても地球上の誰一人見向きもしないと思うが、これをドリームズカムトゥルーが発売したとしたら…どうか?

ドリームをカムトゥルーしてしまうのではないだろうか?転調に転調を重ね更に転調を繰り返す名曲に涙してしまうのではないだろうか?

 

つまりダメなのは「僕」と言うことになり、ドリームズカムトゥルーはすごいと言う事になる。僕がブレーキランプを5回点滅させた所で彼女には煽りと思われ暴行を受けてしまう事になるだけだか、ドリームズカムトゥルーは「あいしてる」のサインにする事が出来る。これが人間力の差であり、黒歴史を全うな歴史に変える圧倒的な力である。

下町の地を這うロクデナシである僕には当然そんな力は無いので一瞬で黒歴史に飲み込まれ、その癖10年後ぐらいにヘラヘラと「いい思い出」面でそれを語ると言う恥知らずっぷりを上乗せしてしまう羽目になるのだ。

 

しかしまぁ、世に出しさえしなければ評価はされない、つまり「自分がいいと思ってれば万事OK」と言う独裁国家が成立するので、当然黒歴史にもならない。

みんな平気な面で「俺が紡いだ…最高の魂<<ソウル>>を見てくれよ」と言えばいい。回りからは黒歴史と思われるかも知れないが、恥ずかしいのはソウルを見せられたソイツラの方であり、こちらが日和って恥じらいなんてものを出さなければ完全勝利と言うことになる。

初な生娘じゃあるまいし、いらぬ恥じらいを見せた所で一つも可愛くなんかないし、予防線をマリアウォールの如く高く打ち立てたとしても押し寄せる大量の草の前には無力、一瞬でラインを突破されて笑いのマシンガンで蜂の巣にされるだけなので、ここは胸を張ってツムギストソウルを打ち放ち、奴等の顔面を恥ずかしさでファイアーさせてやるのが一番だ。

「自分は一体何を戦っているのか…?」と空しくなるかも知れないが、そんなものは決まっている。

 

組織の連中である。絶対に負けられない戦いが、そこにはある。