次元を越える迷子

第五人格と言うゲームをピコピコとやっている。

 

元々鬼ごっこと言うか逃げ惑うのは割合好きなタイプなので、動画を見てたら我慢出来ずにインストールしてしまった。

どう考えても重いゲームだったので僕のポンコツスマートホンじゃラグを起こしまくって逃げも隠れも出来ないサバイバーになるんじゃないか?と戦々恐々としながらゲームを始めたのだが、意外になんとか出来ていて嬉しい限りである。

いや、ラグは起こりまくるのだが、皆起こりまくっているので逆に安心である。

 

しかし元々は電話機なので完全にゲームに向いていない操作性のクソっぷりに一人でなんでだよどうしてなんだよふざけんなよと真夜中にブツブツ呟くやべぇ奴になってしまっているのが悲しい所だ。

今までやってたゲームがポチポチするだけのゲームとも言えない何かだったので完全に油断していたが、操作難しいよスマートホン。まぁ電話機として使った事など数えるぐらいしか無く、普段はポチポチするかBL小説やら漫画やらを読み漁る事にしか使っていないので多少無理をしてでもゲーム機として扱ってやろうと思っている。

電話機として生まれた筈のこいつに第二の人生を華々しく歩んでほしい。

プレイ中に「ちょっとこれ…持ってるのが辛いんですけど…」ってぐらい機体が熱くなり思わず降参ボタンを押してしまいそうになる時もあるがプレステ4も同じぐらい熱くなる時があるし、昔使ってたパソコンに至っては暖房器具かこいつってぐらい熱くなっても電源が落ちまくるぐらいでピンピンしていたので大丈夫だろう。

こいつもどうせ購入されるならバリバリにビジネス通話とかかっこよくしちゃうサラリーのマンとか、暇さえあれば電波に自分の声を乗せたがるリアな充の元で活躍したかったと思うが、携帯は持ち主を選べない悲しみのせいでここまで影の人生を歩ませ続けてしまった事だし、ここらで一つ骨まで溶けるようなテキーラみたいな燃え上がる人生を送ってもらいたい。その結果死因が煙を上げて爆発四散になったとしてもきっと恐らく多分本望であろう。

少なくとも先代携帯のように、ある日突然液晶だけが映らなくなると言う地味すぎる死亡よりはマシな筈である。思い出に残っている限りは死なないって誰かが言ってた。

先代携帯からデータを何一つ引き継いでいないので、先代と比べられてもこいつも困ると思うが、今も画面下半分がちょっと怪しい感じなので、全く同じ死亡経路を辿るよりはいっちょ根性を見せてほしい所である。

 

ちなみに引き継がなかったのは、僕の人生があまりにも死んだような凪すぎて何一つ移すデータが無かった…と言うことではなく、データの引き継ぎの仕方がよく分からなかったので「もうええわ。知らんわ」とブチ切れた僕がろくに引き継ぎをせずに先代の携帯を返却してしまったのが原因だ。

「やってくれないんですか?」と子犬のような目でお願いしてみたのだが「プライバシーが云々」と若いねぇちゃんにやれやれ顔で追い払われ、この場で号泣してやろうか?と思いながら暫く機械の前でウダウダやっていたのだが、全く分からなかったのであらゆるデータを吹き飛ばしたのである。

なんとなく悲しい気分にもなるが、今写真のフォルダを見ると「酒とつまみ、酒とつまみ、酒とつまみ、自動販売機、酒とつまみ」みたいなラインナップだったので、多分問題ないだろう。

ラインとかは、知らん。

 

話を戻すが、とにかく第五人格と言うゲームをやっている。

簡単に言うと、鬼と逃げる人に分かれて、鬼は逃げる人を全員捕まえる、逃げる人は鬼から逃げながら五個の暗号機を解読してゲートから逃げると言うルールであり、3Dなマップを駆け巡る訳なのだが、ここで操作性と双璧を為す問題が僕の前に立ちはだかる事となった。

 

マップが覚えられないのである。

当然場所によって逃げやすい場所逃げにくい場所があり、暗号機のある場所もいくつかの候補の中からランダムで出現と言うパターンがある為、マップを覚えるのが大前提の条件としか言いようがないのだが、現実世界の地図すら分からないのに電脳世界の地図が分かる筈もない。

これは追う側をやる場合も「どこに逃げられたらヤバイか?」「逃げる方はどこに逃げたがるか?」とかを予測して動いた方が当然有利なので、とにかくマップを覚えろ貴様と言う話なのだが、本当に全く覚えられない。

 

そもそも右と左が分からないのだ。

通話しながらプレイする事もあるのだが、左右が分からないので、どっちに鬼がいたかとかそういうの、何も伝えられない。通話の意味皆無であり、「はい死んだ~」とか分かりきった事を改めて伝えるだけのクソ伝令をこなすだけの不毛なお仕事に励んでいる。

一応ゲーム内に定型文が用意されており、それを使ってチャットを飛ばすと「そいつがいる方向がレーダーに表示される」と言う仕様がある為鬼がいる場所を伝えられるのだが、通話をしているのにわざわざゲーム内チャットを操作すると言う二度手間感が最高に頭悪く逃げられる訳もねぇわハハハッと言う感じである

 

それでも頑張って逃げたり捕まったりしているが、右左はこの際もうどうしようもないとして、マップの把握ぐらいはなんとかしたい所である。

マップの把握が出きれば「これの近く~」と目印を言う逃げ道が出来るし、「そこから右に行くと云々」みたいなアドバイスを完全に無に帰す事も無くなるだろう。

まぁそもそも操作が下手くそすぎて見つかる=死と言う方程式が出来上がってしまっているので、マップを把握したから何なのか?感も少々あるのだが、覚えることに意義がある。よく知らないけどきっとそう。

 

と言うか、もう覚えなくてもいいかな~?等と舐めた事を考えていたりもしたのだが、どうせ知り合いとプレイをする時は逃げる側をやるので、ソロプレイの時ぐらいは追う側をやっていようかと思い、追う側のアドバイス動画みたいなのを見ていたら「最低限マップを覚えろ。話はそれからだ。」とキッパリ言われてしまい「ですよね~」となったので、とにかく覚えなければいけないのである。

しかし脳内マップを作ってアレコレ出来るようなら現実世界で8時間も迷子になったりしませんよ…と言う最初の所に戻ってしまう。脳内すらも迷子である。

現実で迷子、電脳世界で迷子、精神世界で迷子、ついでに人生も迷子と、あらゆる次元を股にかけて迷い続ける迷子界のビルゲイツである僕でもうまい具合になんか覚えられる方法があったらどなたかがご教授願いたい。

頑張ると努力、勉強などが苦手なのでその辺も考慮にいれて一つよろしく頼む。

 

まぁ、言うた所でゲームは楽しいので今日も迷子になりながら逃げたり追ったりしている。

きっとその内なんとか覚えられるようになるだろう。継続は力なりと多分昔の人も言ってた。この自分にベタあまな姿勢が人生を狂わせた訳だが、ここまで来て後には引けないのである。狂ってしまったものはもう仕方がないので、最後の最後まで自分を甘やかして行きたい。どうせなんとかなる。

努力や勉強以上に現実が苦手なので、ランクマッチとか言うガチ勢御用達みたいなシステムには一切顔を出さずにノコノコと遊んでいるお陰で幸い結構勝ったりしてお調子に乗りまくっている。

この幻の強者感を胸に抱いて前だけを見て走っていきたい。

弱いやつを倒して生きていく。人生もゲームも基本スタンスは一緒である。

 

俺より弱い奴に会いに行く…。今日もこの逆ストリートファイターマインドで荘園へと足を踏み入れるのである。

肘当てダッシュで鬼と現実から華麗に逃げてやるぜ。