逃走追走大迷走

逃げるのが好き。

 

等とほざいて始めた第五人格であったが、ここの所はもっぱら追う側としてプレイをしている。

それもこれも、邪神っぽいハスターと言う名前のキャラクターの衣装に「食人樹」と言うモルボル好きには堪らない衣装があったせいであり、モルボルになりたいと言う幼稚園来の夢を叶える為にどうしても追う側をやらなければならなかったのである。

 

まぁ、そもそも見知らぬ人間3人とチームを組んで逃げると言うのがそこまで楽しくないと言うか、あいつらどこで何やってやがる!!と思いながら逃げ惑うと心が荒んでしまう為、全員殺せば勝利と言うルールでプレイした方が遥かに精神衛生上よろしいのである。やはり人間、困った時は暴力で解決するのが一番であり、それは邪神となった今でも何も変わらない。

 

邪神は触手を使って戦うタイプのハンターであり、捕まえた人間を救助しにきた奴を返り討ち♪ミイラ取りをミイラにしようぜ大作戦、通称キャンプ能力に優れている、筈なのだが如何せん中身に入っているのが俗な人間である為全然その長所を生かせずにいる。俺の触手が唸ってしなる!!と毎回果敢に攻撃を仕掛けては長いリーチが仇となり、恨みも何もないドラム缶や椅子を殴打しては「ポヨン」と言う効果音と共に弾かれるのが常である。

ここで本来ならちゃんと狙えるように練習するのが徳の高い人間なのであろうが、こちとら邪神に魂を捧げたサケカスである。その様な向上心を持って天国への階段を上ろう物なら深淵に逐わす邪神様との距離がファラウェイになってしまう為、困難からは即座に逃げなければならない。

天界にふんぞる神からエスケープをかっ決めるには神が天から鼻くそをほじりながら放り投げてくる試練を地下に潜ることで華麗にスルーするのが一番ビューティフォーであり、長所を投げ捨ててでも達成しなければならない大事なミッションである。

 

そう、つまり…キャンプはやめである。

ここで簡単にルールを説明しておくと、追う側、ハンターは逃げ惑う逃走者、サバイバー共を追い回し、主に二回ほど殴ると気絶するのでそれを引っ捕らえてフィールドのそこかしこに配置してあるロケットチェアなる椅子に縛り付けると1分後ぐらいにロケットでお空へと射出され脱落させる事が出来る。四人のサバイバーの内、3人を打ち上げ汚ねぇ花火にする事が出来れば見事勝利、町内会も大喜びでソーラン節が流れ出すと言う感じになっている。

そしてサバイバーはうまい具合に逃げ惑いつつ、大体1分前後で解読出来る暗号機を5個解読して、ゲートから脱出する事を目指す。3人が逃げる事が出来れば勝利である。

この一分の間に救助しに来た奴を返り討ちに出来ればとっても美味しいね♪と言う感じなのだが、一分間椅子の前に突っ立っていては暗号がガンガン進む為まぁなんか…手持ち無沙汰なのも含めて結構焦る。

それでも低ランク帯且つボイスチャットによる連携などが無いPTは「それどうやって成功させるつもりだったんや…」と聞きたくなる救助や、なぜか3人がかりでワラワラとなだれ込んでくるお祭り救助などを仕掛けてくる為、まぁかなり勝率が高くなる戦術となっているのである。

しかしこの椅子に近づいてきた奴を殴ると言う救助狩りがうまく出来ないのである。椅子に攻撃判定が吸われ、ポヨンとなっている間に逃げられて涙目になる邪神になってしまう。

 

そして最初に戻り「ならもう救助させておけばいいじゃない!!」と言う思考回路になる。

この不景気に邪神だからと言って椅子の前で優雅にハッピーカミングティータイムと洒落こんでいるから人間風情に泣かされる羽目になるのだ。やはり足で稼ぐのが一番である。

大切なのはガッツと根性、そして気合いだ。

 

と言うわけでフィールドを縦横無尽に駆け回り、生存者を見つけ次第地獄の果てまで追いかけて殺し、椅子に座らせる。1に戻る。と言う脳筋戦法をひたすら繰り返す邪神が爆誕した。

この戦術、かなりの回数攻撃をヒットさせる事になるので、やってる身としては「すげぇぼこぼこにしてやってる」感が溢れ出て超気持ちいいヘヴン状態なのだが冷静に状況を見ると一人も脱落しないまま暗号機の解読が結構進んでると言う劣勢に追いやられている事が多々ある。

まぁだからどうしたと言う話なので、とりあえず見つけた奴を片っ端から殺して回っているのだが。鬼ごっこって…そういうもんだろ?

 

逃走者、サバイバーとしてプレイする時は大体傭兵と言う解読が遅い代わりに追いかけっ子、通称チェイスや救助がお得意と言うキャラクターを見た目だけで選んで使っているのだが、プレイスキルがお粗末なので、解読が遅い癖に救助もチェイスも苦手と言うゴミキャラクターと化している。正直すまん。

もう一人、冒険家、通称おじさんを使う事もあるのだが、こいつの楽しさは「おじさんが○○するよ」とVCでイチイチおじさんRPをする事にある為、野良で使っても全く楽しくないのが難点である。

まぁ傭兵はかなり見た目人気が高いキャラクターなので傭兵と言うだけで許されているだろうし、なんならすぐに死んじゃう傭兵可愛いと思われているまである。

それにハンターが弱ければかなり頑張れる。ハンターが弱ければ…ね。

どんなに強いプレイヤーもそれを上回る強いプレイヤーがやってきたら負けるのが道理であり、変えられないこの世の真理である。

つまり、僕が速攻で鬼に捕まるのはこの世が正しく回っていると言うことで、太陽が沈めば夜が来ましょう、ぐらいに当たり前の話であり、これにケチをつけると言うのは即ち自然の摂理-神-に喧嘩を売ると言うことと同義なのだ。

いいのか?お前?その覚悟があるのか?お前?

お前のせいで宇宙の法則が乱れてもいいのか?

 

ハンターをやっていると「ここに逃げられたら即座に諦めて別を追った方がいいな」とか、こういう逃げ方されると嫌だからそうされない様に追いかけよう…とか色々インテリゼンスに考えながら邪神するのだが、いざ自分が逃げる側になるとIQが一気にがた落ちする。

嫌だ嫌だ来るな来るなとワメきながらどこを走ってんだ俺?みたいな状況になり、最終的に「まだ舞える!あたしはまだ舞える!!」等と叫びながら死ぬ事になる。

しかしそれもまた逃走の醍醐味である。パニックになる事こそが逃げる側の真髄であり、ホラー映画でやたらと冷静に正しい選択ばかりをすると「なろう小説wwwww」「俺ツエー乙」「異世界転生w」と言われてしまう様に、実際は知らんが言われてしまうということにするが、そう言われてしまう様に、やはり逃げる側は多少の無力感を演出しなければならないのである。

マイク・タイソンも一撃で殺す豪腕の女よりも何も出来ないお嬢様の方がモテると大黒摩季も言っているし、軽く椅子に座って誰かが助けに来るのを待つ姫プレイの一つでもあった方が盛り上がる。推しは右に置きたいタイプの腐男子の本能がそう囁いている。

まぁ実際は簡単に捕まるよりもやたらめったら抵抗する右の方がいいと監督が仰っているので、逃走を上手になりたいな~とぼんやり思っている。

ガラスの仮面よりも長寿連載を繰り広げて尚逃げ続ける鉄壁の右、理想の傭兵を作り上げる為に今日も今日とて逃亡の練習を重ねるのだ。

ローマと萌えは一日して成らず、だ。

 

しかし今は邪神への道を極めるのに忙しいので究極の右作成は後に回す。

このろくでもない素晴らしき世界で夢を叶えるにはまず神になる事。夜神月がてんやわんや大騒ぎした挙げ句無様に死んだのは「新世界の神」とやらになれなかったからであり、結局人間風情が素敵なドリームをカムトゥルーするのはインポッシブルなのである。

 

まずは邪神になってから。それが大事な第一歩である。