自意識幻魔大戦

注意

・ひらがなやカタカナ、漢字が使われています。

・接続詞を多用しています。

・この文章はピーマンを食べられない人間が書いています。

・作者は体が肉や骨などで構成されている為、一回刺されただけで死にますので地すり残月やエックス斬り等を繰り出すのはご遠慮下さい。

・それでもいいよって言う優しい人だけお願いします。

 

つまりそういう事である。

ピクシブと言う、なんかしらの作品のファンがやりたい放題、酒池肉林の限りを尽くしているサイトがあり暇潰しによく見ているのだが、大体こんな感じの文章が乱舞している。

気持ちはとてもよく分かる。

リア充(見たことはない)やDQN(見たことはない)等はいくらでもナパーム弾やバールのような物を駆使して殺しまくれる我々でも暴力と言う手段に訴える事が出来ないインターネッツの世界では常に丸腰平和主義を貫くことを強いられている為、防戦一方にならざるを得ない。

となれば、ディフェンスにステータスを全振りするしかねぇ!と言う事になりこのような文章をつらつらと書く事になる。

僕は青少年同士のイチャイチャが三度の飯より好きなので、主に「腐向け」タグを漁る訳だが「捏造です」と言う一文を見かける度にそりゃそうだろとなる。大概の作品は登場人物が同性愛者では無いので「腐向け=捏造」である。

しかし、歴史物のドラマに「ネタバレやめろ」と迫る人物(見たことはない)が蔓延るインターネッツ地獄では100%分かりきった事でも言葉にしていくと言う真摯な姿勢を見せて行かないと一瞬で爆発四散させられてしまうのだ。

誰かの誕生日の話を書く場合は「この話に誕生日ではない人物を貶める意図はありません」だ。

 

ほぼ形骸化された注意書きを一応「ちゃんと注意はしたで。あたしは知らんで。」とする為に適当に書いているだけなのかと最初は思っていたのだが、結構な確率…と言うか、ほぼ全てが真面目に真実を書いている。

それこそ、ネタバレしたい放題だ。「死ネタです」と書かれていれば当然登場人物は死ぬ。「アホエロです」と書かれていれば本当に頭の悪い感じのエロが扉を開けた瞬間に仁王立ちしている訳だ。

地雷を恐れる余りに話の内容がほぼ注意書きを見れば分かると言う意味不明な状況に陥っている為、注意書きと言うよりお品書きである。

「死ネタです。地雷の人は注意」と言う一文を見て僕は「お、死ぬのか。どれどれ」と暖簾をくぐり、「マスター、死ぬ奴」と注文するのだ。

僕は地雷は無いが好みはあるので「体調不良」「死ネタ」「記憶喪失」等と書かれていると意気揚々と入店しに行く。忙しい現代人にピッタリな画期的なシステムである。本来の目的とは大幅にずれている気しかしないが、割り箸や歯ブラシがお掃除用具として大活躍する昨今、本来の用途等と言うものを気にする奴は一人もいまい。

タグで軽く中身をチェック、店を覗いてメニュー(注意書き)を確認し着席だ。そして「ふーむ、ここの体調不良は長崎産だね?」と舌鼓を打ち、「おいしゅうございました」と、去っていくのだ。

しかし僕は別に忙しくない現代人の為「女体化かぁ。女体化は興味ねぇな」と最初はスルーした作品を結局読んだりしている。基本的に、「おなかいっぱい!」と満足する事はほぼ無いからだ。常にお腹はペコペコであり、最初は選り好みをしていてもその内その辺に生えている草などを食べはじめてしまうのが常だ。レベルの高い美食家に依頼して殺す以外に僕を止める術はない。

なんて事は、無い。飢えを満たす為だけに進軍を続けるゾンビである僕を止める化学兵器が「誤字脱字はお見逃し下さい」だ。

ピクシブは全員が趣味で書いているのだろうから、文章が拙いだの何番煎じだのは気にしない。

素材が良ければ茹でただけでも物は食えるし、何回食べたって美味しいものは美味しい。

しかし誤字脱字は気を付けて見返せばかなり防げる代物である。そして、肝心な部分で誤字脱字があった時の「気になる」感はパネェ物がある。

どんなイケメンでも息をする度に鼻くそがプラプラとご陽気に揺れていては台無しなのだ。そして、話の出来が良ければ良い程鼻くそは輝きを増していく。Shine。

僕は観音坂独歩の小説を読み漁っているのだが、一回だけ「観音寺」と終始書き続ける誤字ってレベルじゃねぇミスをしている小説と出会い、その部分だけが今も記憶に残り続けてしまっている。

それだけが強烈に脳に刻まれてしまった為、もう一度探そうにもタイトルすら覚えておらず「あれは…幻…?」状態だ。

全然関係は無いが「伊弉冉一二三」さんは漢字が間違われた状態で登録されている小説が10月29日時点で160件あった。今は減ったのか増えたのか現状維持なのかは分からないが。一応今漢字を調べて見たのだが、一発変換では当然出ず、Googleさんに「いざなみひふみ」と入れて勝手に変換してくれるのを期待したら全部平仮名で出てきた。

せっかく調べたので一応お伝えしておくと、弉(そう)と冉(ぜん)だ。

 

まぁ、気持ちは分かる。いくら読み返してもなぜかあるのだ。誤字や脱字は。そしてそれは素人に限った事ではない。

オールナイトニッポンに嵌まっていた時、公式サイトでその日の放送内容みたいなのを纏めるページがあったのだが、毎回なんかしらの誤字があった為、それを見つけてはメールで一々通達すると言う行為に夜な夜な精を出していた。それぐらい誤字脱字問題は根深いのだ。

一応仕事でやっているだろう人間ですらこうなのだから、趣味でやってる人間は尚更「やってらんねぇ」と言う話であろう。

しかしどうしても心の中のシャントットが「貴方の目は飾りかしら?」と言い出してしまうのだ。

「気づいたら教えて下さい><」と言う注意書がある事もあるのだが、今の所わざわざ伝えた事は一回もない。

なぜか。

クレーマーと思われるのが嫌だからだ。「誤字警察が来たぞ!」と思われたく無いのだ。

たまに誤字を見つけて、とかならいいが、ピクシブの誤字率は割合高くヤバイ時はショッカーばりにワラワラと沸いているしそれに一々眼鏡をクイッとしながら「こことこことここ、誤字ってますよ」と赤ペン先生をしていると「そういう趣味の人なのかな?」と思われてしまいそうで怖い。

・誤字を探すのが趣味な人ではありません。と思わず注意書をしてしまいそうになる。

 

もちろん「誤字警察が来たぞ」と言われたことは一回もない。実行に移してないのだから当然なのだが、僕の頭の中には確かに「誤字警察だ!殺せ!」と叫ばれ、暴徒と化した住人達から袋叩きにされ殺されたと言う記憶が存在するのだ。

望遠鏡なんて覗かなくても見えないものは見えてしまうし、聞こえない声まで聞こえるのが陰キャのパッシブスキルである。

今はキャッキャとヒプノシスマイクの話やらを平和的にしているが、その気になれば実在しない架空の存在を憎み続ける文章を延々書ける。常日頃から脳内で勝手に産み出したイマジナリーエネミーとバチボコシャバダバのステゴロタイマンを繰り広げた挙げ句にロケットランチャーで爆殺し「勝った…」と悦に浸っているので、当然見えざる敵の影に怯え「あいつが…あいつがやってくる!」と深夜に真っ暗な部屋でモニターの明かりだけを見つめながら震えてしまう事もある。

そして「あいつ」に負けない為にイージスの盾をせっせと作成したりしてしまうのだ。

戦争は終わらない。誤字脱字の指摘をしている場合ではない。

そうこうしてる間にも組織は迫っているのである。こうしちゃいられない!

防衛ラインを固めなければ!近寄ってきた奴は全員レーザーで消し炭に変える。

 

 

勝った。