毒も薬もいらない。

あんさんぶるスターズと言うゲームをチマチマとやっている。

何があんさんぶるで何がスターズなのかは今の所全然分かっていないがやっている。

と言うか、リリース直後に「おっ、絵が綺麗じゃん」と思いダウンロードした事があったのだが、その時は「…つ、つまらねぇ…」となり一瞬でやめたのだ。

「愛があれば使えるキャラクター」を使うことはよくあるが「愛があればやれるゲーム」をやったのは初めてだった上にソーシャルゲームと言うものに馴染みが無かったので、一ミリも楽しくない画面タッチを繰り返した挙げ句ランダムでキャラクターを手に入れよう!金を払えばチャンスは無限だ!と言うシステムに「イケメン 画像」で検索した方が早いじゃねぇかとなってしまったのである。

まだまだイケメンを愛する心が足りなかったと言うことだろう。

しかし最近、知り合いに「あんさんぶるスターズが好き」と言う人が出来て、出来心で「じゃあちょっとアルバム買ってみるよ~推しは?」と野球や政治、宗教の話と並んでこの世で一番気軽に聞いてはいけない質問を間抜け面を下げてしてしまうと言う過ちを犯してしまった所「ゲームもやって欲しい」と要求されたので改めて再ダウンロードする羽目になった。

その際に「三周年!」と出ていたので「へぇ、もう三年も経ってたのか。あんなにつまらねぇのに。もしかして面白くなったのかな?」と言う淡い希望を抱いて起動してみた所、記憶と寸分違わないツマラナさで鼻水が出た。

「そもそもこれはゲームなのか?」と言う根本的な疑問まで沸いてくるゲーム性の無さであり、金だけを搾り取ろうとする運営の悪意を感じてプンプンしていたのだが、よくよく考えたらこんな物を「面白いゲームが出来たぞぉ!みんな喜ぶぞぉ!」と無邪気さ100%満面の笑みでリリースしたと言う方が遥かに怖いので、どうか金だけを搾り取りたい意地汚ねぇ運営であって欲しいと祈っている。

とにかく、金儲けの欲望が具現化した学園の中に閉じ込められ、服役囚の様に同じ単純作業だけを延々と続け、たまに申し訳程度に流れるパートボイスに「こいつこんな声なのか…」とびっくりしたりするバイトヘルの開幕である。

 

これが好き!推しはこれ!と熱烈にお勧めしてきたソイツですら「まぁゲームはつまらない」と申し開きの一つもする事なく呆気なく認めていたので、つまらねぇ事は完全に想定内ではあったのだが、やはり現実を突きつけられると人間は脆い。電脳世界に入り浸ってワイワイしているネクラに取ってリアルはいつだってカンタレラなのだ。

しかしお勧めされたヴァルキリーと言うグループのアルバムは確かにすごく良かったし、キャラクターも多分好みであることは間違いない。

更に、知らない間にキャラクターがめっちゃくちゃ増えており、「こんだけいれば一人ぐらい好みの奴がおるやろ。さがせぇ!この世の全てをそこにおいてきた!」と言う大アイドル時代の様相を呈しており、「ゲームはつまらないから…やっぱ出来ないよ」って言えるほど楽しい人生を送ってる訳でも無いので、まだ見ぬ推しを求めて大海原へと漕ぎ出す事となった。

 

一応、かなり親切なのかどうなのか分からないが、初手に「どうぞ、ファーストインプレッションがビビッと来た奴をゲットなさい」と言わんばかりのガチャを用意されており無事にソイツの推しである影片みかをゲット出来た為、既に触れあっていると言えば触れあってはいるのだが、今見れるミニイベントは全パターン、既に見たのでは?感が出ている。

順々にプロデュースと言う名の石ゲット作業をさせられるシステムとなっている為、挨拶回りみたいな感じで一人一人に面を見せている最中なのだがやはり二次元のキャラクターがあんだけ集まるとヤバイ奴の還元濃縮具合がえらい事になっており「僕とお前は…初対面…だよ、な?」となりまくっている。萌えキャラである事を強いられている彼らはどいつもこいつも常に属性を全面に押し出してダイレクトアタックを仕掛けてくる為、自己紹介の一つもせずに「そこに立ってられると邪魔なんだけどぉ」とか言い放ってきたり、「しんかいぎょのおもちゃをつくったんです~」とか謎のアピールをされたり、「ここは俺の縄張りだからよぉ」とメンチビームを食らわせてきたり、「忍者になりたいでござる」と言う「言われても選手権優勝候補」みたいな願望を突如聞かされたりしている。

忍者になりたくてござる口調とか外人にしか許されない忍殺マインドだと思っていたのだが、そんな事は無いらしい。

 

そして、僕は心が四畳半ワンルームより狭い為、「俺の安眠を邪魔しないで欲しいんだよねぇ」とか言われた瞬間に「あ?なんだてめぇ、永眠させてやろうか?」となっている。

冷静になって考えて見るとこういうキャラクターは別に嫌いでは無かった筈なので一々「お?死にてぇのか?」と反応してしまう自分にびっくりしたのだが、これは「お前が主人公」システムが恐らく原因だ。

そう、主人公is俺なのだ。主人公は女性と言う設定だが、まぁガワが女性なだけで中身が僕ならそれは僕だ。レディ扱いしてデートとかに誘ってくる輩には申し訳無いが見抜けない方が悪い。

なぜかサンマだかイワシだかとアジの違いも分からないアホな奴扱いされているのが誠に遺憾だが、それも女の子として振る舞うに辺り、安直にアホの子の振りをしているに過ぎない。分かるからな!!

 

話が逸れたが、逆に普段ならそんなに見向きもしないキャラ、真面目な世話焼き生徒会の子だとか、熱血ヒーローバカとかに好感を持ってしまっている。「おぉ、気にかけてくれてありがとうね。頑張ってみるよ」ってなチョロ具合である。

そもそも萌えキャラの属性と言うのは「自分がふれ合う」のを前提に作られてはいない。世の中には夢小説と言うのが溢れまくっているので、意外とみんな心が強いな…と思うが、基本「こんな奴と友達になりたくない」と言う事が多いと思う。

僕は、観音坂独歩のグッズを求めて一人でスイパラまで行く程度に観音坂独歩が好きだが、友達になりたいかと言われると完膚無きまでのNOを突きつけるしかない。あんなのが近くにいたら気が滅入るなんてもんじゃねぇ。公式で「友達がいない」と言われるだけの事はある。

しかし端から見てる分には最高なのである。

 

つまり、常に安眠を求めてるあの子も、縄張りをやたら主張してきたアイツも、観賞用のイケメン、組み合わせ商品と言う事だ。まだ序盤だから魅力に気づけないだけで余所のキャラとのカップリングが出来た瞬間に僕の中のそいつら株は急上昇ナスダックもびっくりの成長を遂げる筈だ。

 

逆に僕が個人的に会話をしろと言われたら世話焼き委員長とか、熱血ヒーローバカと言う事になる。触れ合い用のイケメンだ。ちなみに影片みかは完全にカップリングありきの推しだ。あいつの世界に僕はいらない。

しかしその事に気づいたのが、せっせと135個のダイヤを集めてガチャを回した後だった為、普通に影片みかのレアっぽい奴を引いてしまった。まぁ一緒にお師さんも引けた為、常に同じユニットにぶちこんでニヤニヤしたいと思う。

それはそれとして、プロデューサーとして存分に絡みに行きたいキャラが来てないのでこちらの取得が今のところの目標である。10連ガチャはなぜか3枚もござる丸が来てしまったのでこいつを推していけと言う天からの啓示なのかとも思うが、忍者には特に興味がないのが痛い所である。

それに僕は忍者のお供と言ったらムササビだろ!と思っているので、カエルをせっせと育成するアイツとは悲しいが流派が違う。いつか殺し合う運命にあるのだ。慈悲はない。

その場合、熱血ヒーローバカが向こうに着く気がしてしまうが、そこは僕の忍術でどうにかしようと思う。

 

ここまで書いて思ったのだが…これはもしや…僕、ハマっているのか…?